妻として、女として、人間としてつぶやきます!
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一目でわかる!?いっち〜はこんな人[目]手作りマインドマップ紹介[ひらめき]
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雨音の思い出・続 [いきもの係]

sakura雨.gifキーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン
今日は水曜日。
職員会議のためテニス部の愛も一斉下校となった。
愛は皆が先に帰るよう、ぎりぎりまで自転車小屋に残った。

ザワザワが消えていき、雨音だけが自転車小屋に残るとなんとも言えない優越感に満たされた。

『よし、そろそろだな…』静かに自転車をこぎ出した愛の目には何か光が宿ったようにキラキラしていた。
『気持悪くないの~?』
『汚な~い!』


愛は小学校の時、死んだ生き物を(もちろん生きていたものもあったが)持ち帰る癖があることを、みんなの前でポロリと話してしまったことがあった。
たちまち、みんなから非難され、そのことは二度と言うまいと、愛は幼な心に誓った。

いまいち『生きている』動物と、『死んでいる』動物の違いというか、境界線がよくわからなかった。

目が飛び出ても、内臓が出ていても、
『なんで死ぬとかわいくないの?同じでしょ?あんたたちだっていずれ死体になるのよ!』
という感覚だった。

当時は動物の死骸を保健所等の自治体に連絡すれば片付けてもらえるとは知らなかった愛はその行為が美徳であると勘違いしていた。

しばらくして、朝の現場につくと、『あの子』は朝より少しずれた場所にいた。
『あれ?誰か端に寄せてくれたのかな?』

近寄ると、愛の予想とは違い、猫はあの後車に二、三回ひかれたらしく、顔が、ひかれてなくなっていた。
『…』
無言でテキパキとカッパのビニールにその子の死骸を入れた。
ひいた運転手に対してか、近くの近所の人に対してか、それとも朝連れていかなかった自分に対してか、愛は怒りを感じながら涙をこぼした。

固くなった『その子』をカゴからはみださせたまま、急な坂道をただひたすら立ちこぎをしてのぼっていった。
タイヤに血がつこうと、手が汚れようと関係なかった。

『洗えばいいじゃん!』

何度、死骸を持ち帰って親に怒られても、その繰り返しだった愛は、家について何と言われてどうするべきか、覚悟はできていた。

前回は、母のガーデニングの場所に狸を埋めてこっぴどく叱られた。
病原菌がうつるとか、近所の目があるとか、気色悪いとか、なんだかいろいろ言われたが、父からは、『シャベルはきちんと洗ってしまっておけ』とだけしか言われなかった。

なので家についたら、すぐ穴を掘り(母のガーデニングを除く場所)、『あの子』をねかせた。
改めて、名前もわからないこの子の生活を思った。
『飼い主はこんな姿みたくないだろうな…でも急にいなくなって悲しむだろうな…』
と、少し罪悪感を感じた。
『そういえば昔飼っていた大好きな猫もいつの間にかいなくなってしまった。もしかしたら車にひかれてしまったのかな…』
とふと考えた。
雨が激しくなってきたので愛は我に返った。
『うちはドッグフードしかなくてごめんね』
そう言って、ロンとモモのドッグフードを一掴みその子の口元においた。
土をかけ終わって、近くに咲いていた薊を2輪飾った。
家族が帰ってくる前に事を終え、愛はホッとした。
その後すぐに血のついたビニールは燃やし、自転車を洗車し、手をよく洗って着替えた。

『今日は誰にも見つからずあの子を助けたぞ…』
と愛はにんまりしていた。自分の美徳に酔いしれていのだ。

夕飯時になると、雨は止み、星空が見えた。
『今日のあの子のように、自分もいつかあの星空になるんだろうな…』
それがいつくるか誰にもわからないことを少しだけ怖く感じつつ、何故かドキドキもした。

そして感傷に浸っている愛の後ろから、
『シャベルまた出しっぱなしだぞ…』
と父が言った。
しばらくの沈黙の後に、母からはいつものお説教を言われ、愛の一日が終わっていった。



『…。懐かしいなぁ…。』ロンが近くに寄ってきて、またモモの小屋を嗅ぎまわる。
動物を最後まで看とることの経験がなかった私は、なんと考えの浅かったことか。
自己満足に近い埋葬に恥ずかしさすら感じた。
本当の埋葬は、とてつもなく深く悲しいもので、これから先にも繋がる力をもっている。
ふと、
『ロン、もしかしたら私が先に死ぬ可能性もあるよね?』
とロンに話かけてみた。
ロンはキラキラしたビー玉またいな目で
『どういうこと?』
と首をかしげた。
『ま、お互いどっちが先に逝っても、しっかり埋葬してお互いを思って泣いてね…』
とロンの頭を撫でた。

夏毛に生えかわりつつあるロンの毛が、私の右手にびっちりとくっついていた。

『この毛もいずれ、土になるんだねぇ…』

それからしばらく、ロンと二人で雨音を聞いていた。
いつかあがる雨音に、寂しさを感じつつ…




[台風](^-^)[台風]長々と読んでいただきありがとうございました[かわいい]

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よろしければコメント等いただければかなり嬉しいです(*^^*)[かわいい][かわいい][かわいい]

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コメント 2

shira

 高校1年生の時だったか、歩いて通う通学路のすぐ横の空き地(造成中の宅地だったかな)の浅い穴にネコの死骸がありました。見たくないのに(私はいたって臆病なのです)つい毎日見てしまいました。日々腐敗が進んで、しまいにはウジだらけになっていました。その後片付けられたのか、夏休みに入ったのか、とにかく私の記憶はそこまでです。
by shira (2010-09-25 00:25) 

いっち〜

Shiraさんコメント嬉しいです!
ネコの死骸はよく見かけますよね〜(悲)
なかなか腐敗が始まってしまうと持ち運びは無理ですね〜
軽トラックでもあればな〜←そういう問題じゃないだろ!!
死骸も記憶と共に風化してしまうんですね
せつない…

ふと、疑問ですが、ネコの交通事故はあるけれど、
犬の交通事故は見ないですね?なぜでしょう??
by いっち〜 (2010-09-27 22:40) 

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